テムズ川沿いの村、レッチレイド。
もうすぐ夕刻のはずなのに、陽はまだ高い。
「これから、どうする?」
レンタカーオフィスの営業時間内に車を返却するつもりなら、
そろそろロンドンへ向かわなければならない。
「駅への送迎を諦めれば、返却は今日中でokって、言われたよね」
「でも、ヘンドンセントラル駅までは遠くて、歩けない距離だったよ」
「じゃぁ、タクシーで帰ればいいじゃん」
私のへっぴり腰を制して、友が、朗々と提案する。
でもさ、ここは外国。
繁華街から離れた、あのレンタカーオフィス近辺で、
日本みたいに、簡単にタクシーが拾えるのだろうか…。
「何かの事情で、返却が時間外になる場合に備えて、
念のために、最寄りのバス停は、聞いてはあるけど…」
「ラッキー! それなら、問題なし!次の村へ、GO!」
元気印・ポジティブな道連れと一緒だと、旅はますます愉快になる。
「あっ、この村。なんかイイ感じ」
車を停めて、ぶらぶら歩き。
ここはレッチレイド。
観光客らしき人たちの流れに乗ると、テムズ川にかかる橋の上に着いた。
「のどかなところだねぇ」
「次に来る時は、ナローボートにも乗ってみたいなぁ」
時を忘れて景色を楽しむには、寒すぎたけれど、
それでも、次の旅への夢は、どんどん広がっていく。