ロンドン・ヒースロー空港着。

小さな飛行機で、ヘルシンキから3時間10分。

機内食を食べて、うとうとしていたら、ヒースロー空港だ。

現地時間、7月11日17時10分。

スーツケースをピックアップして、タクシー乗り場へ。

夜の7時を回っていたはずなのに、昼下がりのような、まぶしい陽ざしだ。

「ほんとに、もうすぐ夜なの? 明るすぎるよ」

「荷物が多いから、タクシーは、2台必要かも?」

「日本は今、何時かなぁ」

「水、買っておいた方がいいよね」

さすがに疲れていて、みんなの会話も、なかなか噛み合わない。



「そうだ! 大家さんに電話しなくっちゃ!!」

予約しているウインブルドンのアパート玄関前で、

鍵を受け取る時間を確認しあうために、

ヒースローに着いたらすぐに、

【今、着きました】コールをする約束していたのだ。

電話のこと思い出せて、ほんとに、よかった!

初日から、躓くのは、やっぱり不本意なんだもん。


3歳児にも満たない、へぼっこ英語で、

冷や汗かきつつ奮闘する二人と、

日本語だけで旅するぞと、強い意志を持つ二人。

興味嗜好も、個性もさまざま。

熟女四人の、イングランドツアーの始まりだ。


ちっちゃな失敗や、笑える勘違いは、旅のスパイス。

だけど、ダメージの大きなトラブルだけには、

どうぞ、遭遇しませんように…。